**No.5**

「次理科って教室移動じゃん?いこ。」

由梨はみんなにそういうと、あたしには目もくれず、スタスタ教室を出て行った。

一人教室に取り残されたあたしの周りで、「女って怖ぇ~!!」「次は千紗

なワケ?」「カワイソー。きゃはは!」と他の人達がコソコソ喋っているのが聞こえた。

でもあたしにはそんな言葉は聞こえてなかった。

由梨にターゲットにされたという事実にただ動揺が隠せなかった。

今まで由梨とあたしは一番の仲良しだったはずだ。

どこに行くにもいつも2人で、イジメをするのも由梨とあたしが中心になってい

たのに・・・

由梨にとっては所詮あたしは部下の一人だったのか・・・

そう考えるとなんとも言えない気持ちがわいてきた。

でもあたしは別に悪い事なんてしてないはずだよね。

確かに由梨に協力するとは言ったけど、由梨もあたしが駿を好きだって

ゆうことをしってるんだし。

好きだったら一緒に登校したいとか普通思うし。

なんであたしがこんな事になるわけ?!

     キーンコーンカーンコーン・・キーンコーンカーンコーン・・・・

鐘が鳴るのを聞いて急いで理科室へ行った。

もう授業が始まっていた。

あたしは隣の席の玲愛(れいあ)に「ね~玲、どこまで授業行ったの?」と

聞いた。

「・・・」玲は返事をしてくれなかった・・

「玲?・・・もしかして・・玲もなの?」玲は何も言ってくれない。

玲は・・玲はあたし達の組織では、あたしと同じくらいの階級だった。

由梨と同じく、玲もあたしと仲良しだったのに・・・

やっぱりこれも表面上の仲良しだったわけか・・・

「クスクス・・・」由梨の笑い声が聞こえる。

その時あたしの所に手紙が転がってきた。

もしかしたら今までの事はイタズラだよ、と書いてあるかもしれない。

急いで中に書いてあった文章を読んだ。

++DEAR⇒千紗☆
 今日のことはあたしに対する裏切りだよね?^_^
 覚悟しとけよ。裏切り者は裏切り者としての扱いを受けろ。      
 お前を消してやる。By由梨☆++

・・・・涙が出てきた・・・

どうして?どうしてなの?

あたしは悪くないよね?

・・・なんで・・・・  **続く**








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